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Liquid AI、テキスト生成ゼロのオープンウェイト決定モデル「d1-3B」「d1-omni-600M」を公開
2026/10/08
Liquid AI、「d1」シリーズの2モデルをオープンウェイトで公開
Liquid AIは、自社の「d1」決定モデルファミリーに属するオープンウェイトのマルチモーダルモデル2種、d1-3B と d1-omni-600M を公開した。同社のブログおよびHugging Faceページで発表された内容によると、いずれのモデルもテキストを生成しない点が最大の特徴で、1回のフォワードパスで推論を完結し、出力トークン数がゼロになる設計となっている。
2モデルの違いと対応モダリティ
d1-3B はテキストと画像を入力として受け付ける。一方、d1-omni-600M はテキストと画像の組み合わせ、またはテキストと音声の組み合わせに対応するマルチモーダルモデルだ。なお、d1-omni-600Mはあくまで「アーリーリサーチリリース」と位置づけられており、レイテンシの公式数値は現時点では公表されていないと報告されている。
どちらのモデルも従来のチャット型LLMとは異なり、自然言語のテキストを逐次生成するのではなく、与えられた「状態(state)」と「質問セット」に対して確率的な答えを直接返す。
「決定モデル」とは何か
一般的な生成型LLMはトークンを1つずつデコードし、出力されたテキストをアプリケーション側でパースして利用する。これに対してLiquid AIが定義する「決定モデル」は、状態と名前付き質問の集合を一度に読み込み、それぞれの回答候補に対する確率を返す仕組みだ。
Liquid AIのドキュメントによれば、d1が受け付ける質問には以下の3種類があるとされている。
- noul:「はい」か「いいえ」で答えるバイナリ質問。P(yes) として返される。
- choice:名前付きの選択肢から1つを選ぶ質問。全選択肢に対する確率分布を返す。
- score:2〜10段階の順序付きルーブリック上に確率加重でスコアを付与する質問。
複数の質問を1回の呼び出しで同一の状態に対してまとめて処理できる点も特徴の一つだ。すべてのレスポンスは output_tokens: 0 を報告する。
想定ユースケース
Liquid AIはd1の活用場面として、ルーティング、モデレーション、意図分類、リランキング、LLM-as-a-judgeによるスコアリング、エージェントのガードレール、そして視覚的な検査などを挙げている。いずれのモデルもチャット用途を想定したものではなく、リアルタイムの判定処理に特化した設計だ。ターゲットハードウェアとしては、NVIDIAのDGXサーバー、RTXワークステーション、Jetsonエッジボードが明示されている。
展開・ライセンス面の情報
両モデルのチェックポイントはHugging Faceで公開されており、Hugging Face Transformersからロードして利用できる。また、リリース初日からllama.cppによるサポートも提供されているという。
ライセンスは「LFM Open License v1.0」が適用され、年間収益1,000万ドル未満の企業・個人であれば商用利用が無償で認められると報告されている。
まとめ
d1シリーズは、生成テキストを一切出力しないという独自のアーキテクチャを採用することで、分類・スコアリング・ルーティングといった意思決定タスクにおける推論コストの削減を狙ったモデルだ。オープンウェイトでの公開により、エッジデバイスを含む幅広い環境での検証・活用が期待される。ただし、d1-omni-600Mについてはアーリーリサーチリリースの段階であり、レイテンシなど詳細な性能データは今後の発表を待つ必要がある。