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Liquid AIが「d1-ultra」を発表——1フォワードパスで確率を返すマルチモーダル決定モデル
2026/10/17
Liquid AIが「d1-ultra」を正式リリース
Liquid AIは、同社最上位の決定モデル(Decision Model)「d1-ultra」を公開した。テキストと画像の両方を入力として扱えるマルチモーダルモデルで、Liquid APIを通じて即時利用可能。価格は入力トークン100万件あたり0.042ドルと報告されている。
決定モデルとは何か
Liquid AIのドキュメントによれば、決定モデルは自由形式のテキストではなく、確率値で答えを返すモデルだ。対応する質問タイプは3種類とされている。
- Noul(ノウル) :yes/noの二択で、0から1の確率を1つ返す
- Choice(チョイス) :複数ラベルから1つを選択し、各ラベルの確率を返す
- Score(スコア) :順序付きルーブリック上の確率加重ポジションを返す
Liquid AIはこのモデルを、ルーティング、モデレーション、ガードレール、トリアージ、LLM-as-Judgeの代替といったユースケースに推奨している。一方、要約・チャット・コード生成には通常の言語モデルを用いるよう案内しているという。
1フォワードパスで完結する仕組み
d1-ultraの最大の特徴は、出力トークンを一切生成しない点にある。各リクエストには「ステート(文脈情報)」「任意の画像」「1つ以上の型付き質問」を含め、モデルは1回のフォワードパスですべての質問を評価する。APIレスポンスの output_tokens は常に0になるとLiquid AIは説明している。
この設計により、生成テキストのトークン料金を支払うことなく、分類・ルーティング・スコアリングの呼び出しが可能になる。Liquid AI チームは、回路基板の欠陥検出や損害保険クレームの写真照合といった「雑然としたケース」を想定ユースケースとして挙げている。
アーキテクチャについては、d1よりも大きなオープンウェイトのバックボーンをベースにLiquid独自のカスタマイズと決定専用のトレーニングパイプラインを組み合わせたと報告されているが、パラメーター数やコンテキスト長は現時点で非公開だ。ウェイトのダウンロードや量子化版の提供も発表されていない。
ベンチマーク性能
Liquid AIの発表によると、d1-ultraは112件の評価スイート全8カテゴリでd1および TypeSafeのJev 1.14を上回り、同価格帯でJev 1.14に対して優位性があるとされている。
独立機関Artificial Analysisが設けたArtificial Analysis Decision Index(0〜100点満点、知識・ハルシネーション、推論、ツール呼び出し、安全分類を各25%で構成)では、d1-ultraは65点を記録し、同インデックスで首位と報告されている。比較モデルとしてインタラクティブウィジェット内に示された他モデルのスコアは、Jev 1.13(TypeSafe)が58点、GLiDE(Fastino)が54点、Microsoft-Decision-1が54点だった(2026年10月13日時点のArtificial Analysis公表値による)。
ただし、これらの主張はいずれもベンダー報告が中心であり、公式な外部機関による詳細なベンチマーク内訳はまだ公開されていないと記事は指摘している。
利用方法と料金
d1-ultraはLiquid APIのホスティング環境でのみ利用可能で、入力トークン100万件あたり0.042ドルと報告されている。ダウンロード可能なウェイトや量子化バリアントのリリースは現時点で発表されていない。
出典: Liquid AI Releases d1-ultra: A Multimodal Decision Model That Scores 65 on the AA Decision Index