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南北閣LLMラボ、33Bのエージェント向けコーディングモデル「Nanbeige4.3-33B」をApache 2.0でリリース
2026/10/26
Nanbeige4.3-33B とは
Nanbeige LLMラボは、33Bパラメータの大規模言語モデル「Nanbeige4.3-33B」をHugging FaceにてApache 2.0ライセンスのもと公開した。同ラボは中国の求人プラットフォームBOSS直聘(BOSS Zhipin)の傘下に位置する。モデルはエージェント向けのコーディングタスクおよびオフィス業務支援(「cowork」)を主な用途として設計されており、カスタム後学習用のベースモデル「Nanbeige4.3-33B-Base」も同時に公開されている。
アーキテクチャの概要
config.jsonによれば、アーキテクチャは標準的な LlamaForCausalLM をベースとするMoEなしの密結合(dense)モデルだ。すべての33Bパラメータがトークンごとに動作する。主な仕様は以下の通りとMarktechPostは報告している。
- レイヤー数: 52層、隠れ層サイズ 7,168
- アテンション: 56クエリヘッド・8キーバリューヘッドのグループクエリアテンション(GQA)、ヘッド次元128
- FFN中間サイズ: 22,016
- 語彙サイズ: 166,912トークン
- コンテキスト長: 524,288トークン(約512K)、RoPE theta 120,000,000
BF16の重みを格納するには約66GBのGPUメモリが必要と記事では試算されており、モデルカードのSGLangおよびvLLMの実行レシピには4方向のテンソル並列処理が使用されている。
チャットテンプレートと推論モード
チャットテンプレートには3つの制御パラメータが用意されている。enable_thinking はデフォルトで有効になっており、思考(reasoning)プロセスをオンオフできる。preserve_thinking は複数ターンにわたって推論を保持し、マルチターンのツール使用やコードエージェントに推奨されている。tools パラメータを渡すことでXML形式のツール呼び出しが有効になる。
Nanbeige4.3シリーズにおける位置づけ
Nanbeige4.3-33Bは同シリーズの「教師モデル(teacher model)」として位置づけられている。ラボの公表している戦略によれば、まず強力な教師モデルを構築し、次いでそのエージェント能力をより小さなモデルへ蒸留する方針で、第一弾としてNanbeige4.3-3Bの開発が予定されている。
ベンチマーク結果
同社はQwen3.8-27B、Muse-Glimmer-30B、Gemma4-31Bの3モデルと比較した自社評価を公開している。いずれもモデルの最高思考設定で動作させ、共通のハイパーパラメータとハーネスを使用したと報告されている。なお、以下のスコアはすべてNanbeigeの自己報告値であり、第三者による独立した検証は行われていない。
エージェント向けコーディング
- Terminal-Bench 2.1: Nanbeige4.3-33Bが80.9、対するQwen3.8-27Bは73.0
- DeepSWE: 65.5対42.5と最も大きなスコア差を記録
- Terminal-Bench 4.0: Nanbeige4.3-33Bが23.8。Gemma4-31Bは0.0と報告されている
- SWE-Bench Pro: 60.3でQwen3.8-27Bの61.7に次ぐ結果(本ベンチマークでは負け)
エージェント向けcowork
- Automation Bench: 54.2対38.3
- JobBench: 44.8対34.5
- YC-bench: 模擬収益ベースで$1,025,437対$641,290
推論
- AIME 2026: 95.2
- AA-LCR: 84.0
20項目中3項目ではライバルモデルに敗れている。SWE-Bench Pro(61.7対60.3)とGDPval(86.4対84.8)はQwen3.8-27Bが、GPQA Diamondは(91.3対89.5)でGemma4-31Bがそれぞれ上回ったと報告されている。
ベースモデルの比較
Nanbeige4.3-33B-Baseについては、報告されている8タスクすべてでGemma4-31B-Baseを上回ったとされている。例としてMMLU-Proでは66.9対59.3、GPQAでは62.0対41.5と報告されている。
注意点
MarktechPostの記事では、Nanbeigeが公開した比較表の一部でMuse-Glimmer-30BとGemma4-31BのSWE-Bench Proスコアが入れ替わって記載されているように見える点が指摘されている。自社発表のスコアである以上、独立した再現実験による検証が望ましい。
まとめ
Nanbeige4.3-33Bは、Apache 2.0というビジネス利用に開放されたライセンスのもと、512Kという広いコンテキスト窓と強力なエージェント向けコーディング能力を組み合わせたモデルとして注目される。今後の小型モデルへの蒸留計画も含め、同ラボの動向が引き続き注目される。
出典: Nanbeige Releases Nanbeige4.3-33B, a 33B Open Agentic Coding Model