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Nace AI、AIエージェント向け検索レイヤー「Drex for Search」を公開——BrowseComp-Plusで92.05%を12.6回の検索で達成
2026/10/27
Nace AIが文書検索レイヤー「Drex for Search」をリリース
Nace AIは、AIエージェント向けの文書検索レイヤー「Drex for Search」を公開した。同社はこれまでDrexという意思決定モデルを開発してきたが、今回はその技術を文書検索に適用したものだという。Claude Code、Codex、Cursor、OpenCodeといったコーディングエージェントから、CLI・SDK・MCP・REST経由で呼び出せるとされている。
従来RAGの課題をどう解決するか
Nace AIは、従来のRAGパイプラインを「チャンク化→埋め込み→上位k件取得→あとは運任せ」と表現し、以下の3つのケースで機能しないと指摘している。
- 答えが23ページ目の表の中にある
- 2ファイルをまたいだ複数ホップの推論が必要
- スキャンされたPDFの内部に答えがある
Drex for Searchはこれらの問題を階層的な絞り込みで対処する設計とされている。
3ステップのエージェント内動作
Nace AIによれば、Drex for Searchはエージェントのリクエストを以下の3ステップで処理する。
- 分類(Classify): 質問が簡単なルックアップで済むか、エージェントが文書を読んでテーブルを参照する必要があるかを判断する。
- 絞り込み(Squeeze): フォルダ→ファイル→セクション→ページ、スプレッドシートの場合はテーブル→カラムと階層的に探索し、答えを含む可能性のある部分だけを残す。
- 回答(Answer): 絞り込まれたページやテーブルのみをLLMに渡し、ファイルとページを引用した回答を生成する。
探索の深さは固定されており、「100万ファイルでも1000ファイルと同じステップ数で処理できる」と同社は主張している。
BrowseComp-Plusでの評価結果
BrowseComp-Plusは約10万件の固定ウェブ文書に対して830問のマルチホップ質問を深層調査エージェントに解かせるベンチマークだ。Nace AIの報告によれば、GPT-5との組み合わせで以下の結果を達成したという。
- 精度92.05%:リーダーボード86エントリ中2位
- 1問あたり12.61回の検索呼び出し:上位1位のエントリ(209.27回)と比べて16.6倍少ない
- シングルパスでは87.32%(8.93回の検索呼び出し):10回未満のエントリ中最高スコアと報告されている
- 同じGPT-5モデルを使ったQwen3-Embed-8Bベースラインより**+20.4ポイント**
OfficeQA Proでのコーディングエージェント評価
Nace AIは9つのエージェント・モデルペアをOfficeQA Pro(米国財務省報告書に関する133問のベンチマーク)でテストした。主要な結果として、正解率が平均6%向上し、エージェントのステップ数が62%減少、トークン数が56%削減、処理速度が2.3倍向上したと報告されている。
具体的な組み合わせの結果は以下のとおりだ(Nace AI報告値)。
| ハーネス | モデル | 元の精度 | Drex使用時 | 元のターン数 | Drex使用時 |
|---|---|---|---|---|---|
| Gemini CLI | Gemini 3.1 Pro | 54.9% | 61.7% | 22.9 | 10.4 |
| Codex | GPT-6 sol | 66.2% | 70.7% | 14.3 | 8.6 |
| Hermes Agent | Opus 5.5 | 64.3% | 68.4% | 8.5 | 3.7 |
| Hermes Agent | Qwen3.8-27B | 56.4% | 60.2% | 20.1 | 6.5 |
| Claude Code | Opus 5.5 | 66.5% | 69.9% | 18.5 | 9.1 |
| pi | Opus 5.5 | 65.4% | 68.4% | 7.7 | 3.7 |
| OpenCode | Qwen3.8-27B | 51.1% | 53.4% | 23.7 | 10.0 |
| pi | Qwen3.8-27B | 43.6% | 45.9% | 24.3 | 11.1 |
| Codex | GPT-6 luna | 54.9% | 53.4% | 16.8 | 11.3 |
9ペア中1ペア(Codex + GPT-6 luna)を除く8ペアで精度が向上し、エージェントのターン数は全9ペアで減少したとされている。
その他のベンチマークと対応環境
Nace AIは複数のベンチマークで上位成績を主張しており、VisDocAgentBenchでは**R@1が77.5%**と、Claude Opus 5の67.5%を10ポイント上回る結果を報告している。また、Qwen 27B(オープンウェイト)との組み合わせでMADQAにおいて93.4%を達成したとも報告されている。同社によれば「4つの公開リーダーボードのうち3つで1位または2位にランクされた」という。
システムは100万件以上のファイルを対象とするホスト型検索として設計されており、PDF・スキャン、xlsx/csv/Parquet、mp3/mp4、docx/pptx、md/json/txtなど幅広いファイル形式に対応する。デプロイ環境はNaceのマネージドクラウドのほか、専用クラウド、ユーザー自身のAWSまたはAzureアカウント、オンプレミス、エアギャップ環境にも対応するとされている。
出典: Nace AI Releases Drex for Search for AI Agents: 92.05% on BrowseComp-Plus With 12.6 Search Calls