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Liquid AI、オープンウェイトの2Bクラスマルチモーダルファミリー「LFM3」を公開——6モデルが1つのトライハイブリッドバックボーンから派生
2026/10/28
Liquid AI、LFM3ファミリーを公開
Liquid AIは、次世代のLiquid Foundation Models(LFM)シリーズとしてLFM3を公開した。6つのオープンウェイト・2Bクラスモデルが1つの共通バックボーンから派生する設計で、テキスト、ビジョン、音声、オムニ、意思決定という幅広いタスクをカバーする。すべてのモデルはシングルGPUでファインチューニング可能で、スマートフォン・ノートPC・プライベートサーバー・クラウドへのデプロイを想定して設計されているという。
6モデルの構成
LFM3ファミリーはすべてLFM3-1.7B-Baseを起点として分岐する。各モデルの概要は以下の通りだ。
- LFM3-1.7B:テキスト特化モデル。パラメータ数1.73B、コンテキスト長256K。Hermes Agent・Pi・OpenClawなどのエージェントハーネス向けにポストトレーニングされている。
- LFM3-VL-2B:LFMシリーズ初のビジョンモデル。パラメータ数1.92B、コンテキスト長128K。2fpsでのビデオ入力に対応する。
- LFM3-Audio-2B:18言語の音声入出力とツールコーリングに対応した音声モデル。
- LFM3-Omni-2B:ビジョン・音声・テキストを1モデルで処理。パラメータ数2.2B。テキストまたは音声で回答する。
- d1-2B:1回のフォワードパスで多数の質問に対して確率付き回答を返す意思決定モデル。
- d1-Omni-2B:d1-2Bの音声入力対応版。
トライハイブリッドアーキテクチャ
バックボーンは24レイヤーにわたって3種類のオペレータを混合するトライハイブリッド構造を採用している。具体的には、ゲート付き短距離畳み込み13層(カーネルサイズ7)、スライディングウィンドウアテンション5層(ウィンドウ256トークン)、グローバルアテンション6層(パーシャルRoPE適用)で構成される。このほか、アテンションにヘッドワイズのシグモイドゲートとサンドイッチノームが導入されているという。
このアーキテクチャはハードウェアをループに組み込んだ探索によって発見されたものだ。前世代のLFM2が1台のスマートフォンと1台のノートPCで最適化されていたのに対し、LFM3はRaspberry Pi 5やQualcomm Hexagon NPUを含む14種類のデバイス・バックエンドの組み合わせを対象に最適化が行われたと報告されている。
トレーニングパイプライン
ベースモデルは22兆トークンで事前学習されており、最後の3.5兆トークンはエージェントタスク重視のデータで構成されたミッドトレーニングフェーズに充てられ、コンテキスト長が256Kに拡張されたという。
ポストトレーニングは4段階で実施された。まず1.75兆トークンを用いたSFT、次いで複数ドメインを同時に扱う混合強化学習(RL)、続いて6つの専門家教師モデルから1モデルへの蒸留(MOPD)、最後にブラウジングやオフィス作業を含む実際のエージェントハーネス上でのアジェンティックRLが行われた。
ベンチマーク性能
Liquid AI自身の評価によれば、LFM3-1.7Bは29のベンチマーク平均で49.37を記録し、Qwen3.5-9B(47.24)を上回っているという。前世代のLFM2.5-2.6Bと比較してパラメータ数が35%少ないにもかかわらず性能が向上していると報告されている。
エージェント系のタスクでは特に強みが見られ、WebArena-Verifiedで38.42(Qwen3.5-9Bは28.94)、BFCL V4で71.39(同62.83)、AutomationBenchで41.29(同15.10)という結果が報告されている。一方、知識集約型タスクやコーディングではサイズの差が出ており、GPQA Diamondでは63.37(Qwen3.5-9Bは80.40)、SWE-bench Verifiedでは43.40(同51.20)にとどまっている。RULER 128Kは65.56であり、Qwen3.5-9Bの87.11を大きく下回っている点も示されている。
デプロイ環境と量子化フォーマット
4ビット量子化時のメモリ使用量は約1GBで、スマートフォンやノートPCでの動作を想定した設計となっている。GGUF・MLX・ONNX・FP8・NVFP4のチェックポイントが提供される。NVIDIA B300上でSGLang(BF16)を使用し、1,024同時リクエスト時に1日あたり3.6Bトークンのスループットが得られるとも報告されている。
対応ランタイムはllama.cpp・MLX・vLLM・SGLang・Ollama・Transformersと幅広い。
ライセンスはLFM Open License v1.0が採用されており、年間収益1,000万ドル以下の場合は商用利用が無料とされている。
出典: Liquid AI Releases LFM3: 6 Open-Weight 2B-Class Multimodal Models