お名前.comは老舗のドメイン管理会社ですが、レンタルサーバー事業も行っています。GMOグループにはよく似たサービスが乱立していますが、微妙に内容を変えて運営されています。元々別のベンチャー企業だったこともあって、イメージも方向性も大きく違いますよね。
「お名前.com」のレンタルサーバーって?
お名前.comさて、お名前.comは、ドメイン管理会社としては非常に古く、日本国内でドメイン取ることになったら、有無言わずお名前.comで取っていたなんて言うことも多かったぐらいです。
どんなレンタルサーバーでも、障害が多いや速度が遅いなんていう評判は頻繁にあります。特に流行の機能を導入するのが早かったり、より新しい機能を導入していると不具合が起きやすいのです。
しかし、ここ数年先進的な機能を利用するサービスでも大きな障害には遭遇しなくなってきました。技術の進歩もありますが、クラウド化が進み、耐障害性が高くなってきたのだと思います。
実は、このレンタルサーバーにはあまり良い印象がなく、なんか遅いと思っていました。あえてこの会社を利用する意味が分かりませんでした。ドメインをここで取ってしまったので、それでレンタルサーバーもここで申し込んでしまえば良いだろうという、リテラシーの低い人向けの印象があったのです。
日進月歩の技術革新やサーバーマシンも数年経てば相当型落ちとなるこの分野ですから、数年前の印象は全く意味のないものと考えた方が良いでしょう。
「ワードプレスが動くサーバー」なら何でも良いのか?
色々なレンタルサーバーがありますが、ワードプレスを取りあえず動かしたいなら、「ワードプレス可能」のプランに申し込めば十分だと思うでしょう。これから始めたばかりだし、無料のブログサービスがある中で有料サービスを使うわけだから、当然より良いだろうと思うでしょう。
ワードプレスはPHPというプログラムで操作しているブログのアプリです。PHPはウェブサイト向けに開発されたプログラミング言語で習得しやすいのですが、あまり速度が速くないという問題があります。
WordPressはリリース直後は速度に関して、大きな問題はありませんでした。バージョンアップを重ね多機能になり肥大化してきたこと、プラグインという機能を追加する仕組みで、ユーザーが自由に機能追加することが出来るようになったことなど、大変動作が重くなりやすいアプリになりました。
WordPressをインストールした直後は、十分高速で問題が無いなと思うかも知れません。本格的に運営を始めるとウェブページの表示など大変遅いと感じると思います。
WordPress高速化の必要性
サイト運営を運営していると、見に来てくれる人が全てが表示されるまで、待ってくれるだろうと思うでしょう。しかし、実際は3秒で離脱率がかなり上がります。出来れば1秒以内で表示されることが望ましいと言われています。
Googleは検索結果の上位表示する指標の一つに、ページの表示スピードを追加しました。そして、そのスピードをチェックするツールも公開しています。誰でも簡単に使えますので、ぜひ試していただければと思います。
自分のページが上位に表示されたいと思う人なら誰でも、このPageSpeedの結果を意識するようになりますよね。Wordpressのプラグインでも高速化できるものも出てきましたし、サーバー側でも高速化の機能が開発されて実装されてくるようになりました。
安価なレンタルサーバーでも高速化の機能が追加されるようになってきました。これはお客さんのメリットだけではなく、レンタルサーバー側のメリットもあるのです。
レンタルサーバーは1台のサーバーにたくさんお客さん(ウェブサイト)を詰め込めば詰め込むほど、儲かります。安いサービスは、1台により多くのお客さんを詰め込んでいることで、安く提供しています。
そうすると、サーバーのリソースを人数分で分け合うことになるので、アクセスの多いサイトが同じサーバー内に同居していたら、遅くなってしまいます。
このため高速化の技術を導入すると、この渋滞が緩和されて快適になったように感じるのです。
高速化の手法
サーバーの高速化はメリットもあればデメリットもあります。ですから、簡単に高速化するわけにもいきません。当初はノウハウがあるサーバーの専門家や特定の環境を構築する専用のサービスなど一部の人たちが利用していました。これがWordpressの普及で、レンタルサーバでも利用出来るようになりました。
主な高速化の手法は次の通りです。
- 処理のかかるPHPプログラムをキャッシュ(結果を保存)しておき、そのキャッシュを見せることで、重い処理をさせずに速く表示させる
- 静的ファイル(画像など情報が動的に変わらないもの)をより高速に表示出来る仕組み上に置く
- データーを従来のハードディスクではなく、より高速なSSDに置く
- データを圧縮して送信する
- より高速に動作するプログラム・サーバーに変える
このようなことを行い高速化することで、比較的安いレンタルサーバーでも速く表示されるようになりました。
高速化の現状
大手のレンタルサーバーでは、最も低価格なサービスでもほとんど高速化が実装されています。ユーザーは管理画面上でオン・オフを自由に切り替えられるようになっているでしょう。
普通なら誰でもONにするはずですよね。なぜオフにする必要があるのでしょうか?
これは、高速化をすることで、トラブルも起こるからです。
- キャッシュされた情報を送信するようにしておくと、情報が変更されても古い情報が送信されてしまう
- 圧縮されたファイルが受信側で正常に処理されない
- 処理方法が変わり元のコードと違ってしまい意図したとおりに表示されなくなる
このような問題が生じてしまうので、オンに出来ないことがあるのです。
新機能WEXALとは?
出来るだけ高速化したい。でもトラブルが起きる。
ということがあるので、使える出来る機能を部分的にオン・オフ出来るようにして、問題が起きて煎るところだけオフにすることで、出来るだけ高速化の機能を享受出来るようになりました。
さらに、この機能を進化させたのがWEXALです。
ナント!高速化(AI)となっています。AIで何を高速化してくれるのでしょうか?
基本的な高速化の手法は従来と変わりません。
ボトルネックとなる部分をチューンナップして、より効率的に動作するサーバー・ソフトウェアを利用して、キャッシュできるところは出来るだけキャッシュするということは変わっていません。
先ほども記載したとおり、コンテンツ部分の最適化を行う際、なにか不都合が起きてしまうことがあるのです。これをアクセス元の環境に応じて最適化されたデーターにして表示させる技術です。
たとえば、画像は一般的にはJPEGという画像フォーマットを使います。もちろんこのデーターは圧縮されたデーターで本来の画像よりも大幅にファイルサイズを小さく出来きます。
現在はさらに小さくすることが出来ます。小さいファイルサイズで画像を送れば、その分速く表示されるようになります。
しかし、新しい規格の画像フォーマットには、対応しているブラウザーもあれば、対応していないブラウザーもあります。そこで、見る人の環境に応じて、新しい画像フォーマットに対応している人には、新しい画像フォーマットで送り、そうでなければ古いフォーマットで送るのが良いわけです。
このようなことを多岐にわたって自動的に行うのがWEXALです。
今までは、除外したい物を色々確かめて行ったりしていましたが、自動で行ってくれるので専門家でなくても安心して高速化を利用出来ます。
しかし、このAI、どこまで信用出来るのでしょうか?
もちろん全てのパターンを調査したわけではありませんが、数十種類のテーマなどで調べて見たところ、高速化をオンにしても表示が崩れたりすることはありませんでした。
かなり使えるおすすめな機能です。
現在大手のレンタルサーバーでは、お名前.comとConoha Wingが対応しています。
従来のお客さんでも既に利用可能になっていますので、ぜひお試しください。
高速化すると検索上位になるのか?
Googleは様々な指標を利用して検索結果を出しているので、ページのスピードだけが重要なのではありません。しかし、ページの表示が遅いと別の部分の影響も連動しておきます。
ユーザーがページからすぐに離れてしまうとされる離脱率。ページが表示される前に離脱してしまうと、離脱率も上がります。そうなると、そのページには有益な情報が無いのではないかと判断する指標なので、とても大切です。
サイト内の滞在時間も重要です。つまりサイトの他のページにアクセスしてもらえれば、良いです。しかし思いサイトでは、他のページのアクセスも少なくなるでしょう。
このようにサイトのスピードが遅くなると連鎖的に悪条件が重なるので、最も重視すべきことの一つだと思います。